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2019.9.30

「ソマティック・アロマセラピー」香りで感じる身体感覚と潜在意識

アロマセラピー ソマティック 五感至上主義 感覚 香り

Touch for World代表・パーソナルセラピスト 小松ゆり子 です。
「Magellan」では、五感至上主義者&セラピストの視点から「明日を選ぶ羅針盤」となるあれこれを綴っています。

 

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「こころ」とは何か。

 

というお題目に対しては諸説諸論ありすぎるほどだと思う。

 

 

「こころ」とは実に所在が曖昧なもので。

 

何かが自分以外の外界から刺激としてやってきた時の動物的な身体反応の果てに生まれるもの、でもあるし。

 

わたしたちが生きてきて積み上げたもの全て、から成り立っているとも言える。

 

すなわち、「こころ」とは本能と記憶の結果。だと仮定してみる。

 

 

 

そのどちらにも働きかけるものが「香り」である。

 

香りは、本能と記憶を呼び起こす。

 

 

記憶の積み重ねの果てにあるのが今の自分。

 

その中で、自分で意識的に覚えている顕在記憶はほんのわずかで。

 

脳の回路の奥底に澱のように沈み込んでしまい、普段は浮上してくることがない「潜在記憶」がほとんど。

 

 

今日すれちがった人のことなど、忘れてしまう。

 

でも、生きてきた全ての経験は記憶の倉庫の奥底にひっそりと格納される。

 

そんな、自分の脳の中にある、記憶の沼。

 

 

その沼の表面でプツっと小さな泡が弾けるように、無意識的に何かのタイミングで潜在記憶が顔を出すこともある。

 

ふとした瞬間に、現在を生きる私たちの行動は、思いの外この潜在的な記憶に左右されている。

 

 

例えば、マットレスの下に小さな小石が入っていたら、寝ている間に無意識にその石をよけた体勢で眠るだろう。

 

そして、ふかふかの小石が入っていないマットレスに寝た時も、同じように無意識的によけた寝相で眠る癖がついてしまっている。

 

そんな風に、自分の脳の中の沼底にある記憶は、知らず知らずに私たちの無意識的な行動の種となる。

 

 

 

こころ と からだ はつながっている。

 

苦しい時にギュッと縮んだ感覚を、筋肉や神経系は記憶している。

 

だから、「からだ をゆるめる」ということは「こころ をゆるめる」ことにもなる。

 

そんな風に、「記憶」とそこに結びついた感情は、密かに出口を探している。

 

 

 

もう顔も覚えていないかもしれないけれど、子どもの頃に誰かに愛された記憶がある人は、その愛の記憶を身にまとって年を重ねている。

 

 

例えば、大好きなおばあちゃんといつもコタツでみかんを食べていたという事実。

もちろん普段はその記憶をありありと思い出すことは、ほとんどない。

 

 

でも、オレンジの香りを嗅いだ時、その幸せだった愛の記憶が自分の中にくっきりとした輪郭と体感を伴ってフラッシュバックすることがある。

 

 

おばあちゃんの笑顔、コタツの暖かさと布団の柔らかさ、口に広がるミカンの豊潤さ。

 

その場所に漂う「愛」の空気。

 

ひょっとしたらそれは、自分にとっての「愛の原点」かもしれない。

 

 

香りが潜在記憶にアクセスする鍵となる。

 

 

 

 

アロマセラピーは、いまやトップクラスの認知度を誇る自然療法。

 

その主役である「精油」の真髄はなかなか骨太かつ、ソマティックなもの。

 

まずは植物たちが自分の身を守るために作り出したエッセンス(精髄)には薬の原型とも言えるパワフルな薬理効果があるがゆえに、使用方法によってはリスクも伴うことを知る必要がある。

 

その一方もっとシンプルかつ安全に、「ただ嗅ぐだけ」でできることもある。

 

 

 

良い香りでも、好みではない香りでも、香りに向き合うことで、思いがけない自分の内側の記憶の旅路の始まりになる。

 

心を掘り下げようと意気込むと、逆に固くこわばって到達できない領域に、精油は芳しい香りと共に、いとも簡単に切り込んでみせたりする。

 

 

また、心が塞いで明るさや軽やかさを求めている時、あるいはしっかり自分の内側に落ち着きたい時。

 

寄り添うような優しさが欲しい時。やる気をブーストして欲しい時。

 

精油が持つ香りのイメージや特性が、私たちの心を瞬時に切り替える手助けをしてくれる。

 

 

 

そんな風に、香りに向き合うことから「こころ と からだ のつながり」の領域に踏み込んでみるのが「ソマティック・アロマセラピー」です。

 

「香りを楽しむ」のその先にある「こころ と からだ」「本能と記憶」のつながりに意識を向けてみる。

 

そして、抽象的な自分の感覚や、香りを嗅ぐごとにうつろう身体感覚を追いかけ続けてみる。

 

それだけで、香りに誘われて軽やかに「ソマティック」の入り口に立つことができます。

 

 

「ソマティック」という概念は、もっともっと一般的に広がっていくべきだとここ数年思っているのだけれど、どうも敷居が高いようで。

 

だったら、いち早く「こころ と からだ のつながり」に意識を向けるポップスター的存在になったアロマセラピーの、ソマティックな側面をフィーチャーしてみるのはどうだろうかと思い至ったわけです。

 

 

「香り」から自分を探る旅に出たい方。

 

身体性の扉を開きたい方は、ぜひ「ソマティック・アロマセラピー」から始めてみてください。

 

 

 

■ 「心と身体をつなぐ〜ソマティック・アロマセラピーとストレスケアの基礎

人は五感で世界に触れています。中でも嗅覚は原始的な脳とつながる、最も本能な感覚。
アロマセラピーは、香りを楽しみながら内側の意識や感覚とつながることができる、ソマティックな手法でもあります。
香りを通じて内的な五感に意識を向け、本能的な反応を言葉にしましょう。
身体感覚が目覚め、潜在意識への扉が開きます。

 

■ヴァイタル・タッチセラピー 

心と身体、魂をつなぐ120分間の濃密なオイルトリートメント。
植物の力、鉱物の力、そして人の手の力が全てあわさった禊のようなセッションです。生まれたてのまっさらな自分に再会したい方におすすめ。

http://yurikokomatsu.com/

 

 

■スクールはこちらから
https://touchforworld.amebaownd.com/

 

小松 ゆり子

Touch for World 代表/パーソナル・セラピスト/五感至上主義。音楽レーベル宣伝部プロモーターを経て、自然療法の世界へ。現代人の「身体性」を取り戻すこと、「心と身体、世界をつなぐ」をテーマとし、南青山のアトリエ「corpo e alma(コルポ・エ・アルマ)」を中心にセラピーやセミナーを行い、執筆、監修 も多数。東洋的な押圧とロングストロークやストレッチングを多用し、植物や鉱物の力をフュージョンさせたオリジナルメソッド「ヴァイタル・タッチセラピー」を提唱し、密度の濃い「パーソナル」なスタンスでオーダーメイドの施術を行う。音楽、カルチャーとセラピーを融合するイベントも多数開催。趣味は世界の癒しに触れる旅。

https://ameblo.jp/yurikokomatsu/