連載・コラム
スイーツとの付き合い方を考える
健康、や、特に「姿勢」などに興味を持った時、
そこに関わるファクターは本当に無限にあります。
でもまず何かに手を付けるなら、私はまず真っ先に
「呼吸の改善」から意識していただきたいと思っています。
PBM(※)でも最初にお伝えすることですが、
「正しい呼吸をしよう」という態度はかえって、呼吸を苦しくすることが多いものです。
呼吸法や、呼吸を意識する瞑想で苦しくなったことがあるという経験はありませんか?
数多くある呼吸の本の中で、
最近出版されたこの本はおすすめです。
『身体のデザインに合わせた自然な呼吸法ーアレクサンダー・テクニークで息を調律する』
リチャード・ブレナン (著), 稲葉俊郎 (翻訳)
アレクサンダー・テクニーク、というボディーワークの観点から
「本来、呼吸とはどのように起こるものなのか?」ということが
書かれています。
体の使い方は多くがそうなのですが、
「正しい方向にコントロールする」のではなく、
体の機能構造を、そのまま素直に使うこと、が
大切です。
私たちはそれなりに長かったこれまでの人生の中で(笑)、
呼吸や動きについては、間違った学習も積み重なってパターン化しています。
いえ、その時は、何か非常事態を切り抜けるために獲得した「意味のある」ものだったのが
今となっては逆に足を引っ張るようなパターンになってしまっている。
アンインストールされずに残って動作を重くしているプログラムがあるのだ、と言えるかもしれません。
かつて役に立っていたものを、捨てて行くことはなかなか難しいものです。
Learn (学ぶこと)より Unlearn(その学びをアンインストールすること)の方が、
たいてい難しいものなのです。
そんな時に、その古いパターンの上に「上書き」しようとするよりは、
そもそも本来的にはどういう動きなのか、という「事実を知っていく」事の方が
有効です。
この本は、稲葉敏郎先生の監訳の美しい絵と、流れるような自然な美しい日本語で書かれていて、
開いているだけで呼吸が深くなるような本です。
ここまで高度な(難しいということではなく)内容の専門書で、
こんなに「美しい」本は見たことがありません。
呼吸、に興味を持たれたら、ぜひ手にとって読んでみてください。
(※)プレゼンス・ブレイクスルー・メソッド® http://pbm-institute.jp/
小笠原 和葉
ボディーワーカー /健康経営コンサルタント/
プレゼンス・ブレイクスルー・メソッド®(PBM)ファウンダー
代替医療を中心として学術・臨床研究を深めながらさまざまな発信や
コラボレーションを通して新しい健康観「健康3.0」を探求している。
著書「システム感情片付け術」(日貿出版社)
クラ二オセイクラル・プラクティショナー(CHA)アシスタント・チューター
Somatic Experiencing®認定プラクティショナー
東北大学医学部大学院研究生
宇宙物理学修士
趣昧はフィギュアスケート鑑賞。一児の母。