連載・コラム
スイーツとの付き合い方を考える
2020.2.20
先日、根幹が揺さぶられた(いい意味で)あるイベントに参加してきました。
それは『ダンス・ウェル』というダンスを通した芸術活動で、
2013年よりイタリアで実施され始めたものです。
パーキンソン病とともに生きる方々のほか、
老若男女、ダンス経験関係なくあらゆる人々が参加できます。
あくまで芸術活動で、治療やリハビリ、セラピーを主目的としていない。
…ということなのですが、これは目的としていなくても結果的に心身にとって
かなりセラピューティックなことになりそうなものでした。
だってダンサー(参加者のことをこう呼びます)たちの
生き生きした様子がものすごいのです。
「なんか楽しい」ってヒトを元気にするのだな、ということを改めて目の当たりにしました。
これは、例えばライブや芸術祭、スポーツ選手の圧倒的なパフォーマンスをみたとき。
など、みなさんも思い当たるのではないでしょうか。
わかりやすいニコニコだけではなく、なんか個々の生命力が
際立ってそこにあるというか。
「そうだ。ヒトは、生命は。アートなのだ。」
心理セラピーやボディワークを通して今まで何千回も思っていたことが
新鮮な波となって私の心を打ってきました。
この仕事も大好きで今こうしているわけですが、なんだか
「セラピーってなんだろう。
回復とか、自己治癒力とかwell-beingとかってなんだろう。
いのちに触れるって、今を生きるって、こんなことじゃないだろうか。
オレはいのちを生きていたのだろうか?!」
と魂に問いかけられたようになり。(揺さぶられすぎてオレ調。)
特にここ最近「信頼って。安心って」ということを思っていたので
真ん中にあったくすぶりが「生きるってなに。生きるってこういう感じ!」
と晴れた感じだったのです。
また、トークセッションとワークショップの全体の構成が
すばらしかった。というのも理由にありました。
イタリア文化会館という会場の、日本から少し抜け出したような解放感。
トークセッションでの、イタリア研修のレポート。
行かれた、ダンサーである白神ももこさんと酒井直之さんのたたずまい。
(二人の存在感もとても素敵だった!)
パーキンソン病への理解やワークショップの構成に熱心に取り組む研修生たち。
美術館や博物館などを開催場所として使うということ。
そこでのまるで作品でもあるようなダンサーたち。
病気もダンスのうまいヘタも関係なく、ただ楽しいことを楽しむフラットさ。
ところどころに
愛、情熱、楽しさ、ワクワク、自由、創造性、優しさ、
信頼、安全、つながり
という成分が含まれている感じで。
それって私たちヒトに今、必要なものと思いませんか。
◇
ワークショップ後半には先程の白神さんと石井さんファシリテーションのもと
30名ほどの参加者が動き、踊り、表現をして。
中には体を動かし慣れているような方もいらっしゃいましたが、
多くの方は「ん?ん?!どんな感じだろ。。」というように
最初はやや固めの動き。(私も)
でも、そこにある
「恥ずかしい~」
「うまくできるかな」
「どうやるんだろ、、、」
などの気持ちの枠が心地よいファシリテートの中、緩やかに外れていき。
だんだんとみんなの動きがほぐれたり、一体感が出てきたり。
囲われていたなにかが溶けて。
「お!(そんな動きもあるのか!)」
「お~~あ~~(いい感じ!)」
とか後半は言語化不能。もうそれでよい。
だって体がこうだよ、って言っているのがわかるから。
するとまた動きも変わって。
動作が変わると表情も変わって。
会場には次々といのちの芽が出て
そこから色とりどりの花が咲き始めているようでした。
そんな変化を自分にも感じていて。
考えるより前に体が変わって
「ここまで柔らかさや心地よさが通っていくんだ!たのしー!」
と衝撃でした。
「身体が拓くってこういうことか!」
みたいな新しい解放感といいますか。
心理セラピーで解放されていくチャンネルともまた別で。
感覚から開かれていくこと。
感覚が自分によって動的に拓かれていくこと。
「ああ、私たちは動物なんだよな」
と、力がみなぎってくるような、自分の中の動物性が起きてくるような。。。
それは自分の一部が戻ってくるような頼もしさでもありました。
「自分の一部がもどる」というのは前回>>も書きましたが、
気持ちや感情面でも、身体の痛みでも、
あるのにナイことにして切り離すと、やっぱりそれは不自然なもの。
私たちの本質である生命体としては気持ちよくない状態です。
だから、違和感をサインとして私たちの本質は
いつも自然に戻ろうとしています。
そのときにはその違和感を制覇するのではなく、
そこに向かって、ゆっくりと声をきいていく。
自分にジブンを開いて、
こころやからだが望んでいることをさせてあげるのはどうでしょう。
私がここまで動きや解放感が響いて、言葉にしたくなったのには
先月から音楽家とコラボレーションをして
『声とこころのワークショップ』を始めていたのもあって。
こころ・からだ・いのち
この相互作用について、より感じていたタイミングでもありました。
毎日PCに向かい、スマホで知識を得る毎日。
デジタルの便利さ、スマートさももちろんあるのですが、
もう片方にある「動物の部分」。
こちらも人生には大切なパーツではないでしょうか。
読んでくださっている皆さまはいかがですか。
どこか
「毎日こんなんでいいのかな。。」
「この先どうなるの。。。」
など無力感や閉塞的な気分でいるのなら。機械的、作業的なことを少しとめて。
感じたり感覚を使う「動物の部分」へ少し意識を向けてみてください。
違う知覚が生まれるかもしれません。
ちなみに「ウェル(well)」には「調子が良い」という意味のほかに
「源泉」という意味もあるのだそう。
自分の源から過ごす誰もがダンサー。
それぞれたくましく、いのちの表現を楽しんでいけますよう。
『ダンス・ウェル』についてはこちらを。
ほか、いわゆる「ダンス」とはまた一味違うムーブメント系のものとして
などもおもしろいです。
~お知らせ~
『声とこころのワークショップ』についてはAROHAMブログを御覧ください。
次回は3/11。テーマは「内なる野生の声を出してみる」。
zoom参加もしていただけます。
半澤久恵
公認心理師/AROHAM Holistic Healing Salon主催
SEP/ソマティック・エクスペリエンシング プラクティショナー
英国Holistic Healing College ホリスティックヒーリングカウンセラー
ハートレジリエンス協会 OAD心理セラピスト
JMET認定 EFTトレーナー
「より楽に生きる」ための心身へアプローチするセッションを提供。
個人セッションのほか、セミナーや講座で心理学やセラピスト養成なども行う。
20年ほど心身の探求をしながら、アロマセラピスト→ボディワーカー→心理セラピスト→公認心理師
→途中での様々な学びを統合し、今に至ります。百人百様の心身に、そのときの最適なものを提供するスタイルです。
変化し続ける生命の現れに触れながら、その動きの不思議さに魅了され続けています。
私自身の生きづらさから始まった、ヒト・人生・生きることへの研究は深めれば深めるほど豊かな世界を広げてくれます。
ストレスや苦しみ、病気は一見ネガティブだったり、排除したくなる感じかもしれません。けれど、その真裏にはそれ以上の希望や夢、愛、などがあって。「生命の本質ってこっちだったのだな。本当にいろいろ大丈夫だったのだな。」ということがわかってからは、そのことを分かち合いたく、日々セッションやセミナーを通してご一緒しています。
心や身体のつっかかりが取れて。一人ひとりが伸びやかに過ごす。心地よく在る人が増えていく。そんな世の中ってどうだろう!と鼻がふくらむ毎日です。
いろいろな形で世界中に心地よいが増えていきますよう。
好きな言葉:「こころは自由に 身体は軽く」「自然はその理に従う」
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