2018.6.26

痛みを伴うマインドフルな瞬間。

はじめまして、クラニアルセイクラルと誘導瞑想を組み合わせたThe Calmというマインドフル。タッチングセラピーをしている石井と申します。

2016年4月のある朝、僕は目を覚ますと世界は一変していました。すべてのものが滲んで見え、3メートル先は霧に覆われているような世界がそこにありました。

僕は突然、視力を失ったのです。

もちろん平静を保っていられる訳もなく、僕はパニックに陥りました。傍にいる当時3歳の最愛の娘の顔もはっきり見えず、大きな目が特徴の妻の顔も見えず、そして生まれて3ヶ月しか経っていない息子の顔も見えずに膝から崩れ、泣き続けました。

妻は冷静沈着に病院を調べ、僕を眼科に連れて行ってくれました。駐車場から眼科へと向かう道のり、僕は妻の方に手を起き恐る恐る足を踏み出し歩きました。普段はまったく気にもしなかった点字ブロックの上を歩いた時に、このブロックの本当の意味をしり、足の裏でその感触をしっかりと感じました。

大学病院の救急外来に到着した夕方には、僕はかすかな光すらも感じられないほど、視力を失っていました。待合場所で検査を待つ数時間、定期的に大きな不安の波が僕を襲ってきます。声に出して「怖い、怖い」と言いながらどうしようもない不安感が身体を巡っていきます。気がつくと僕は、太腿をギュっとつねってその不安の波が過ぎ去っていくことを必死に耐えていました。そうでもしなければ、正気を保てなかったのです。

今、その時のことを振り返るとそれはその場所に留まり続けるための行為だったのだと思います。マインドフル瞑想の基本は、今ここにある呼吸を意識すること。ですが、あの状況の中ではそんな余裕はありませんでした。だから僕は「痛み」によって、その場所に、その瞬間にとどまり続けようとしたのだと思います。痛みもまた、その瞬間にしか感じることのできないマインドフルな感覚だから。

Magellanでは、僕が視力を失ってから自分の実体験として得たマインドフルネスについて書いていこうと思います。

石井 健介

1979年生まれ セラピスト
アパレル業界を経て、エコロジカルでサステナブルな仕事へとシフト。2012年よりクラニアルセイクラルとマインドフルネス瞑想を取り入れたThe Calmというオリジナルセラピーを始める。同時進行してフリーランスの企画・営業・広報として働き始める。
2016年の4月のある朝、目を覚ますと突然視力が失われていた、という衝撃的な体験をしたが、日々をマインドフルにいき、生来の風のような性格も相まって周囲が驚くくらいあっけらかんと過ごしている。