連載・コラム
スイーツとの付き合い方を考える
2018.5.31
こんにちは。
米国IBA認定ボディートーク施術士の鮫島未央(さめじまみお)です。
ここmagellanでは、ライター兼チーフプロデューサーを
務めさせていただいております^^
メディアオープン後はぱったりと倒れておりましたが、
満月と野菜の力で復活しまして、遅ればせながらの
記事投稿第一弾でございます。
これから、どうぞよろしくお願いいたします!
閑話休題しまして。
高石宏輔さんの著書である『あなたは、なぜ、つながれないのか〜ラポールと身体知〜』読了。
どんな内容の本なのかは後述するとして、
その文体のしなやかで骨太な感じと、文章の過不足を
極限までそぎ落としたような硬質な美しさに
魅了されながら読んでいました。
ここでもまた感じたことは、
身体感覚を追求している人の描く文章の独特な美しさでした。
自分の内部感覚をどこまでも繊細に見ていくという行為を通して、
世界を感じる五感を再構築していくためのさまざまな方法論が
書かれているので、ワークの説明のくだりもけっこうあります。
スワイショウとか雲手とか、気功や太極拳をやったことのある人には
おなじみのエクササイズがイラスト入りで説明されているのですが、
その説明の文章までもすっと背筋が伸びるような気持ち良さ。
すごいな、と。
文章がお上手ですね、みたいな話ではなく、
高石さんという人には
「つながるということについて、自分の体験と、
その体験を通じて構築した自分だけの言葉と文体で、書くことの必然性」
というものがたしかにあって、
人が人として生きる上で、誰かとつながることへの渇望と、
ただそのことを自分の身体と心で極限までやり込んだ体験
(元ナンパ師であり、スカウトマンであり、カウンセラーという経歴)と、
それを「言葉」を通じてまた、他者へと送りたいというような、
どこか切実な必然性のすべてがあいまって、
”単なる身体知に即したコミュニケーション読本”という次元を
ぽーんと超えてしまったような印象がありました。
この本を読んで、奇しくも「本とわたしのラポール」というものを感じました。
とても主観的な感想ですが、この人の文章は
この人の身体性においてしか紡げないものなのだ、ということが
ひしひしと伝わってきて、それはわたしの言語感覚にも確実に
影響を与えていると思います。
ちょうど、少し前にfacebookのライブストリーミングにて
行った扇谷孝太郎さんのインタビューで、ドラムの人が
ざわめくライブ会場で「ターン!」とひとつの音を鳴らしただけで、
その会場にさざ波のように広がってオーディエンスとの共鳴が起こった
という話をしてくれた、その「ターン!」という一音に等しいものが、
この本からは鳴っていたのだと思います。
世の中にはきっと、コミュニケーションに関する本が
ごまんとあるのでしょう。
仕事で上司や顧客とうまくやるための。
恋愛で異性を魅了し、魅了し続け、いつか真実の愛へと
たどり着くための。
緊張やアガリ症の自分を変えてゆくための。
それらの本には(おそらく)あまり書かれていなくて、
この本には微に入り細に入り書かれていることが、
「自分の感情を麻痺させずに味わい、感覚を身体をとおして感じ、
その中にある”なにか”に触れていく」ということへの、
飽くなき追求とその”なにか”への信頼なのではないかな。
その”なにか”に触れた時、自分になにが起こるのか、
目の前の他者になにが起こるのか。
目の前とその向こうの他者たちが織り成す世界とのつながりに、
なにが起こるのか。
今、あたりまえのように生きている日常と、自分の身体というものが、
とてつもなく大切な「鍵」なんだ。
ということが、一言の過不足もなく積み重ねられたソリッドな
一文一文をゆっくり読んでいくことで、
頭ではなく皮膚感覚や身体感覚をとおしてしんしんとしみ込んでくるような、
そんな本でした。
magellan企画で、いつか高石さんにインタビューしてみたいなあ!
みなさんもぜひ、お手にとってご覧になってみてくださいね。
鮫島 未央
米国IBA認定ボディートーク施術士。
「人にとって本当の幸福とはなにか?」という疑問が物心ついた時からあり、心理・哲学・人智学・精神世界・ボディーワークなどあらゆる分野を学んできました。それでも「うまくいく人とそうでない人」が生まれてしまう不全感をどこかに感じていましたが、ボディートークに出会い、その効果を自分自身で体感し「ここにすべてがある!やっと出会た!」と感じました。自然に心身を回復し、本来のその人そのものを輝かせてくれるボディートークを、一人でも多くの方に届けたいと思う日々です。プライベートでは二児の母。好きな食べ物は生ハムと牡蠣。