連載・コラム
スイーツとの付き合い方を考える
「もらう」という言葉がある。
ボディーワークの個人セッションをしていると
「もらっちゃわないですか?」
というような形でご質問を受けることもある。
わたしが開催しているボディーワークの講座でも、特にクラニオレベル2で力説しているけれど、
癒やし、ということが指し示すのが
クライアントの中にある
「なにかよくないもの」を「放出」することでおこる、
と捉えていると、
その良くないものは「引受先」がいるだろうというアイディアに繋がり、
じゃあセラピストとしてそれを引き受けましょう、という無意識の構造が、
「クライアントの何かをもらった」(そして貰えばたいてい調子は悪くなる)かのように見える現象を創り出す。
つまり、「もらう」という現象は
セラピストが自分の中にそのようなシステムを構築していれば、起こる。
そして私は、
セラピストが自分の中にその「もらう&もらわれる」のシステムを構築していなければそのようなことは
「起こらない」という立場だ。
私が考える癒やしは、
過去を現在や未来に過剰に投影している心身の緊張をほぐし、
「今」に最適化し直す、ということ。
これがつまり「今を生きる」ということなのだけれど、
私たちは恐れ、を学習する生き物だから
まあそれは全然簡単なことではないわけです。
そこで役立つのが、セラピーやボディーワーク。
それぞれの技術の違いは、アプローチの文脈の違いだけであり
起こるのは結局どの技術であっても、その人本来の可能性を取り戻す、ということなのではないだろうか。
過去から蓄積した身体の緊張を取り除くことによって(なぜならそれはトラウマとカップリングするから)、
あるいは新しい物語を見つけることによって。
いずれにしても、「何かを体外に放出する」のではなく
自分をせき止めることに使ってたエネルギーを、これからの自分のために使えるエネルギーとして取り戻す、
ことが起こるのであって、このプロセスに「もらう」という発想はフィットしない。
セラピストに何かが起こるとすれば、その人のプロセスに刺激された、自分の中の古い傷がうずいているだけだ。
セッションのあとに、
(特に、わたしはクラニオよりもSEのような言語を伴ったセッションのあとそうなることがあるけれど)
なにか自分に変な感じがあるとしたら、自分の中の未完了のプロセスがうずいているので、やるべきことは自分の中の過去のケア、もしくはその傷のお弔いだ。
(時にセッション後にセージを焚くことも、チベタンベルを鳴らすこともあるけれど
それは自分へのお弔いとしてやっています)
自分の癒やしが進んでいくほどそういうことはまれになって、ほとんどの場合は、「ただ一緒に癒やされる」という経験があるだけだ。
だからクライアントのみなさまには本当に感謝だし、そういう「ご相伴に預かる癒やし」を必要とするような業の深い人が往々にしてセラピストになっています。
だからこそ、癒やしに関わる人々は自分を慈しみケアし、自分からも他者からもケアを受け取る、という経験が沢山必要なのですね。
ということで、もらうもらわれるに関する、現時点でのわたしの思いでした。
こういう話はパラダイムによって全く違った解釈があるのでこれが正しいと思っているわけではないのですが、
ここまで問い続けてきたことの現在のわたしの説です。
セラピーって本当にすごいなと、受けるたびに・するたびに思います。
私たちは自分が思っている以上に、傷を受けている存在であり、
自分が思っている以上に、パワーを持っている存在なのだと、
その両方を毎回感じます。
これからも、日々の臨床や学びや人生を通してセラピーや健康についての思いはアップデートしていきたいと思っています。
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小笠原 和葉
ボディーワーカー /健康経営コンサルタント/
プレゼンス・ブレイクスルー・メソッド®(PBM)ファウンダー
代替医療を中心として学術・臨床研究を深めながらさまざまな発信や
コラボレーションを通して新しい健康観「健康3.0」を探求している。
著書「システム感情片付け術」(日貿出版社)
クラ二オセイクラル・プラクティショナー(CHA)アシスタント・チューター
Somatic Experiencing®認定プラクティショナー
東北大学医学部大学院研究生
宇宙物理学修士
趣昧はフィギュアスケート鑑賞。一児の母。