2020.2.24

chapter.6 死についてニュートラルに考える

絶対誰も死ぬ。だから考えたい

 

小笠原:解剖の話に戻るんですけど、帰ってきた直後って、それこそ日の下を散歩してたりすると突然、苦しいくらいの「生きているー!」っていう実感が湧いて来た時期があったんですよね。

 

私はまだ両親も健全なので、そんなにすごい喪失体験が伴う死の経験がなくて、わりとステレオタイプというか、教え込まれていたものが、死のイメージだったなと思うんです。

 

解剖実習をしてるときって御献体とは向き合っているというよりは、「その方と共 に過ごした5日間」、という感じがしたんですね。今まで死と生として刷り込まれて いたイメージと全然違う感覚が私はしました。

 

日本って特に死が忌み嫌われるというか、あまり見ないようにしているとか、隠されている側面が文化の中でも強いですよね。

 

でも生きて元気でいることの先には絶対誰も死ぬ。生きて絶対死ぬのにそのことを考えないで今生きていることを深めようとしても、それはバランスが悪いなって。

 

死自体についてニュートラルに考える。 それを 考えないで生きているということが逆に不自然だなという感覚を、解剖実習を通してすごく感じました。

 

佳織さんはもう何回もアシスタントとかに入ってくださっているのですごく経験が豊富だと思うんですけど、解剖実習を通して感じた死についてお聞かせいただけますか。

 

谷:すごくいろんなことを感じているので、それをまとめてお話しするのは難しい と思うんですけど……。そうですね(考える)。

 

解剖実習では自らの体をみなさんが学ぶために使ってくださいと、ドナーとして提供してくださっているユタ州の大学に登録されている方の御献体を使わせていただいます。

 

自分自身がこれから死んでいくと考えたときに、自分が自分の体をそういう機会のために提供することができるのかなと考えたときに、その選択をしてくださった方たちがそこにいて、そのおかげで私たちが学ぶことができるんだということを本当に深い感謝をしなければいけないなと思っています。

 

解剖のクラスに一昨年参加してくれた「スポーツの人」のひとり(笑)なんですけ ど、アスレチックトレーナーの人がいました。彼はクラスに参加した時に25歳だっ たんです。すごくいろんなセミナーに来てくれる子でよく話をしていて、彼は解剖 のクラスに参加するのに生活費をちょっと切り詰めて、アルバイトもしながら貯め て、解剖のクラスに参加して、翌年も同じようにもう1回参加をしたいということで 準備をしてたんです。

 

けれど横紋筋腫といって、体の中にある横紋筋に悪性の腫瘍 ができる病気になってしまって。

 

 

 

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[note版]生きて死ぬ私たちの「元気」のこと 〜「動く」ということが私たちにくれるギフト chapter.6 死についてニュートラルに考える

 

 

 

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谷 佳織(たに かおり)
Somatic Systems 株式会社代表取締役
Kinetikos 株式会社代表取締役
Gray Institute/ FAFS
ACSM/CEP
公認ロルファー®

1985年、グループフィットネスインストラクターとして活動を開始以来、アメリカ、日本のヘルス・フィットネスのフィールドにおいて、アクティブに教育活動を続ける。

機能解剖学、軟部組織へのアプローチ、ストラクチュラルインテグレーション等のトピックに関する指導者として高い認知度を持ち、NSCAジャパンをはじめとした各種教育団体の継続教育プロバイダーとして、日本各地にて数多くのセミナー指導とともに、グレイインスティチュート、TRX、DVRT、CFSC各種教育団体の教育プログラムの指導を提供する。

夫であるトラビス・ジョンソンとともに運営するオンライン教育情報サイト:キネティコスのコンテンツ作成、及び翻訳担当。海外講師を招聘した教育イベントの開催、及び米国で開催する解剖クラスの運営補助など、健康/運動指導に関わる専門分野の継続教育の提供に携わる。

 

 

chama / 相澤護(ちゃま / あいざわ まもる)
株式会社TYG ファウンダー 代表取締役
ニュートラルライト合同会社 代表社員
Gate8 プロデューサー
ハタヨガティーチャー(E-RYT500)

レゲエクラブ経営、CM制作会社勤務等を経て、父親の介護をきっかけにヨガ講師となる。

ヨガスクールTOKYOYOGA(表参道・渋谷・伊豆高原)、フリーペーパーYOGAYOMU、ヨガ手帳、ヨガブランドSAMAVSM、たまごヨガ、ヨガキャラクターPADMANKEYなど多彩なツールを通じ、ヨガの普及や、健康かつ持続可能なライフスタイルを提案。 “アシュタンガ・ヨーガ 実践と探求” “リストラティブヨガ 完全なリラクゼーションそして再生” “YOGABODY アナトミー・キネシオロジー・アーサナ” などの書籍を監修・監訳。
現在は、東京を中心に国内外でハタヨガ指導をしつつ、パーキンソン病を患う母親と同居し、パーソナルスタジオでもある自宅にヨガティーチャーやボディワーカーを招いてのライブ対談番組・水曜チャマの部屋のホストをつとめる。

『人生にヨガを』TYG: http://www.tokyo-yoga.com/corp
『Delight your home』GATE8: http://gate8.jp
『ヨガで世界を明るくする』chama公式WEBサイト: http://www.chama-yoga.com

 

 

 

小笠原和葉
ボディーワーカー /
プレゼンス・ブレイクスルー・メソッド®(PBM)ファウンダー


代替医療を中心として学術・臨床研究を深めながらさまざまな発信や
コラボレーションを通して新しい健康観「健康3.0」を探求している。
著書「システム感情片付け術」(日貿出版社)
クラ二オセイクラル・プラクティショナー(CHA)アシスタント・チューター
Somatic Experiencing®認定プラクティショナー 
宇宙物理学修士

東北大学大学院医学部研究生
趣昧はフィギュアスケート鑑賞。一児の母。
http://pbm-institute.jp/

Magellan編集部

この記事はマゼラン編集部によって作成されています。