2018.5.16

プロフェショナルに聞く / 赤坂溜池クリニック降矢 英成 院長

心の病
毎回さまざまな分野の専門家にインタビューする「プロフェッショナルに聞く」。
第一回は、赤坂にある「こころの総合クリニック」赤坂溜池クリニックの医院長、
降矢 英成先生に、現代人の「こころ」について伺ってみました。
厚生労働省によると、日本人約40人のうち1人が精神疾患の患者だといわれます。
誰にでもなる可能性があり、うつ病に至っては15人にひとりが一生のうち一度は罹患すると言われるほど。
私たちや身の回りの人が「心の不調」を感じた時、あなたならどうしますか?

 

Q1 降矢先生が院長を務めていらっしゃる赤坂溜池クリニックのコンセプトを教えてください。

患者さん、病気をbody(体)-mind(心)-spirit(霊性・魂)の視点から、そして、環境(家庭-社会-自然)
との関係性からとらえる「ホリスティック医学」を理念としています。
実際には、不調や病気の原因に対して、このホリスティックな視点からアプローチするために、
現代医学に加えて、種々の補完・代替療法を用いています。
さらには、最終的な目標として、不調や病気から学び、自ら心身の健康や幸せをコントロールでき、
セルフケアできるようになっていただきたいと思っています。

 

 

 

Q2 近年心の病の罹患率も増え、社会環境の複雑化等で、心にとっては難しい時代を生きている印象を感じています。日々診療される中で感じられる、現代人の心を取り巻く状況について、先生はどのように見ていらっしゃいますか。

現代は、スピード社会、情報社会になっており、かつ価値観も多様化していますので、
心の面としても大変な面があります。

そして、そのような時代、環境の中で、いわゆる一般的、常識的な「成功」とか「幸せ」を目指すことに、
何となく向かっている方が多いようにも感じます。

また、こういう時代、環境のために、中々自分の生活や未来に対して安心できず、
「不安」な感覚を多めに、または強めに感じている方も少なくないように感じます。

 

 

 

Q3 私たちが健やかな心を保つためには、どんな事が有効、あるいは大切だと思われますか?

現代の日本で健やかに生きていくためには、このような複雑で見通しがつきにくい時代、
環境であるからこそ、「自分の目指す」成功、幸せというものをもつことが重要だと考えています。

「現代の常識に沿うこと」や、「周りの人からどう思われるか」を気にし過ぎるのではなく、
自分が大事にする価値観、信念をもっているかが重要だと思います。

そして、「自分に対する評価」「自己尊厳」がある程度もてることが重要であり、
自分を大事にしたうえで、周りや他人を大事にするという、「自利」と「利他」の両方の「自利利他」
の気持ちをもてると有効かと思います。

 

 

 

Q4 私たちが心に不調を抱えた時、まずどんな対処があるでしょうか?クリニック等の受診は
ハードルが高く感じたり、それほどでもない、と放置してしまう人も多いと思います。
そんな方たちにメッセージをお願いいたします。

まずは、不調を感じたときは、一度ゆっくり立ち止まって休息し、そして、ちょっと離れた、
広い視点から問題を見渡していただくといいでしょう。

基本は、疲れたり不調になったら「休む」こと、それによって回復させるという、「自然治癒力」を
働かせることを行いましょう。

具体的には、呼吸法やヨガ、気功のような「養生法」を行ったり、森林浴やアロマセラピーなどの
「自然のエネルギー」を活用することもいいでしょう。

そして、一息ついたところで見えてきたり、気づいたことに沿って、方向性を変更したり、
修正してみるといいでしょう。それだけでは難しい場合は、お気軽にご相談ください。

 

 

 

 

今回お話を伺ったプロフェッショナル
降矢 英成先生

1959年東京都出身
東京医科大学卒業
LCCストレス医学研究所心療内科帯津三敬病院勤務を経て、
ホリスティック医学の実践の場として、丸野医師と赤坂溜池クリニック開院

日本心身医学会専門医
日本ホリスティック医学協会会長
日本メディカルハーブ協会副理事長
日本森林療法協会理事
日本フィトセラピー協会副理事長 
 
降矢先生のクリニック
赤坂溜池クリニック

 

Magellan編集部

この記事はマゼラン編集部によって作成されています。